インテリジェンスのオウンドメディアにみる「自分ゴト化」を促すコンテンツの作り方と集客法(2)【全3回】

転職サービス「DODA(デューダ)」をはじめとする人材サービスを提供している株式会社インテリジェンスでは、「“未来を変える”プロジェクト」と「キャリアコンパス」という2つのオウンドメディアを運営しています。

インタビュー第2弾は「キャリアコンパス」のプロデューサーである森本大さんに、ご自身が推進したメディア効果の可視化とデータに基づいたコンテンツ運営についてお話を伺いました。

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キャリアディビジョン マーケティング企画統括部 DODA編集部 広告宣伝グループ
(左から)森本大さん、川跡正博さん、三石原士さん ※所属は2016年10月時点

メディアは順調に成長。しかし事業への貢献が見えない

―――まず、オウンドメディア立ち上げの経緯についてお教えください。

「キャリアコンパス」は2012年に立ち上がったのですが、当時DODAには新卒者向けのサービスがなく、20代の人たちとの接点があまり多くありませんでした。彼らと接点を増やすためにどうすればよいかと考えた時に、当時はまだ手法として一般的でなかった「コンテンツ」で接点を創出しようということになりました。

20代のビジネスパーソンが様々な働き方・生き方を知ることで、自分にとってベストな働き方を見つけるきっかけとなるメディアを作ろうということで「キャリアコンパス」は立ち上がりました。今でいうコンテンツマーケティングの走りですね。

メディアが立ち上がってからは、外部パートナーに協力をしてもらいながらPV、UUは右肩上がりで伸ばすことができました。20代の人たちと接点を持つという当初の目的は果たすことはできていました。

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―――メディアが成長していくなかで課題はありましたか?

PV、UUは順調に伸びていたのですが、それが事業にどれほど貢献しているのかが見づらいという課題がありました。つまり、DODAの新規登録につながっているのかが分かり難いということです。

効果が分かり難いので社内リソースや予算をかけづらいという雰囲気がありました。そこで、私が2年前に担当になった時に、“効果の見える化”(潜在ユーザーから顕在ユーザーへの態度変容の見える化)をしようということになりました。

見える化で明らかになったメディアの貢献度

―――見える化はどのように進めていったのですか?

私はもともと業務でアナリティクスツールを使っていたことがあったので、ユーザーの態度変容はきちんと設計して実装すれば見えるようになるのは分かっていました。あとはそれをどのようなクオリティ、コスト感、スケジュールでやるかというところを考えました。

まずは外部の話を聞いてみようと、デジタルマーケティングソリューションを提供している3つの会社に相談をしました。こちらの要件を伝えてディスカッションを繰り返すなかで、最終的には弊社のグループ会社のインテリジェンス ビジネスソリューションズ(IBS)にお願いすることにしました。

それから設計に3ヶ月、実装に3ヶ月をかけ、そこからさらに半年かけてデータを蓄積していきました。分析するためのデータが揃ってきたのは、私が担当になってから1年ほど経ったころでした。

「キャリアコンパス」※クリックでサイトに遷移します

「キャリアコンパス」※クリックでサイトに遷移します

―――データからどんなことが見えてきましたか?

「キャリアコンパス」に接触した人は時間をかけて態度変容してDODAに登録していることが分かりました。また、広告では接触できない新規ユーザーとの接点になっていたことも分かりました。ただ、広告と異なり直接的なコンバージョンということではなく、間接的なものも含めての評価になります。

興味深かったのは投資回収率についての分析で、計測期間を3ヶ月未満の短期でみると回収率は良くないのですが、4ヶ月~6ヶ月くらいの期間でみると非常に回収率が上昇する結果になったのです。

―――コンテンツマーケティングは短期間では成果がでないと言われますが、実際にデータから、そのような結果(長期間の視点で評価をすると、成果が出ている)になったんですね! では、さらに回収率を良くするためにコンテンツ運用ではどのような取り組みをしていますか?

態度変容が見える化できたことで、コンテンツポートフォリオを最適化することができるようになりました。コンテンツを、潜在ユーザーにリーチするためのコンテンツ群(レベル1)、潜在ユーザーを顕在ユーザーに引き上げるため、そして再来訪を促すコンテンツ群(レベル2)、顕在ユーザーにコンバージョンしてもらうためのコンテンツ群(レベル3)という3つのレベルに分類し、それぞれに対してKPIを設定して、毎月/3ヶ月のタームでコンテンツ毎の目的達成状況をモニタリングしてコンテンツポートフォリオをチューニングしています。

―――データから新たな発見はありましたか?

コンテンツレベル毎のCVRを見ると、レベル3のコンテンツに接触したユーザーが最も高かったのですが、その内訳をみてみると、レベル3のユーザーのなかでも、レベル1とレベル2のコンテンツにも接触していたユーザーのCVRが最も高いことがわかったのです。

むしろ、レベル3のコンテンツのみに接触しているユーザーのCVRは平均値よりも低いという結果でした。つまり、レベル1とレベル2のコンテンツに接触することがCVRをリフトしている可能性があるのでは? という気付きが生まれたんです。

「キャリアコンパス」のコンテンツポートフォリオ図※森本さんの資料を元に編集部作成

ポートフォリオ図

※クリックで拡大

人工知能を使ってユーザーをナビゲート

―――レベル1のユーザーをどうやって効率的にレベル2やレベル3のコンテンツに誘導していくかがポイントになりますね。

はい。レコメンドの精度をあげるための施策を考えています。「キャリアコンパス」では記事を読んだ後、下にスクロールしていくと次の記事が表示されるインフィニットスクロール(無限スクロール)を採用しているのですが、表示させる記事は前の記事に付与されたタグやタイトル、文中のワードの情報を元に最適なものを表示させる仕組みを導入しています。

今後は人工知能を活用したレコメンドを実装する予定です。(※取材当時は未実装)コンテンツのデータだけでなく、サードパーティー(第三者)のデータを活用して、その人がどういうことを好むかや、サイト上でどういうものを読んでいるというのを掛け合わせでレコメンドエンジンに学習させ、最適なコンテンツを出し分けるというものです。

また、三石の話にもありましたが、DODAには様々なコンバージョンポイントがありますので、人工知能を使って最もその人に合ったコンバージョンポイントに誘導できるようにしたいと考えています。

 

―――今後の展望を教えてください。

メディア経由のCVは順調に伸びていますので、認知の部分をもっと伸ばしていくのが当面の課題となっています。そのためにコンテンツも増やしていますし、SEOも外部のコンサルにお願いして注力しています。

PVを伸ばしていくための施策として、テーマの特性上SNSでの拡散が弱いため、SEO以外の集客としてコンテンツデリバリーをやろうと考えています。またGoogle AMP対応、Facebookインスタントアーティクル対応を進めようと動いています。

最後に、このあと川跡からお話する、ネイティブアドネットワークを活用した取り組みにも注力していきます。コンテンツだから接することのできる新規ユーザーとの接点を、どんどん拡大していきたいと考えています。

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